長門銭広永様は難しい銭

もう当たり前だが、自民党は国民を幸せなど全く気にしていない。

悲しみが酢のように胸に広がった。

マッカラーズの新訳が出たことを猫師匠のサイトで知った。それも村上春樹さんだと。

村上さんの本は一冊も読んでないけれど、本人が全訳するほどに肩入れしているのなら…と考える。

淀川長治さんの「日曜洋画劇場」で知ったのだな。中2の頃で、似た感じの小説を読み始めていた田宮虎彦氏と呼応した。

そして、その故田宮虎彦氏も「さまざまな愛のかたち」という本の中で、取り上げているのを知り、驚いたのだな。懐かしいなあ。

そのころ、豊橋の精文館書店で買った新潮社文庫は、いつしか絶版になって、ネットの古書価も2000円を超えていて、再版が望まれていたのだな。

 

15年程前、英語の本(ハードカバー)も1000円ぐらいで古書で買った。

In the town there were two mutes, and they were always together.

こんな書き出しだ。

聾唖者をミュートというのかと、乾いた表現に驚いた記憶がある。

 

「2人はいつも一緒にだった」から、離れ離れになり、一人が亡くなると、もう一人も死んでしまうのは、仕方ないのだよと。

私は、夢の中で、並んで座っている本の登場人物に話しかけると、彼らの一人、それは食堂のビフが、「もうみんな知っているんだ」と、少し微笑んで話してくれた。「そう」それなら安心したな、と思ったら、夢から覚めていた。

部屋の天井の豆電球が、オレンジ色に滲んでいた。

 

私は、今でもその夢を思い出すと、「悲しみが酢のように胸に広がった」という林芙美子さんの表現を思い出すのです。