長門銭広永様は難しい銭

もう当たり前だが、自民党は国民を幸せなど全く気にしていない。

新潮文庫の本で特に好きなのは何ですかね??というヤフー知恵袋の問いに…

【問】
新潮文庫の本で特に好きなのは何ですかね??

【回答】
40年前の、
尾崎一雄「虫のいろいろ」

 80年以上昔の文章ですが、父親(尾崎)と次女の会話に、ほんの少し前に交わされたかのような新鮮さを感じるのですね。最後のエピソードの部分は、私の受けた中学の国語の問題文で使われたのですね。それ以来のお付き合いです。なかなか洒落たことをする問題作成者に感謝です。

 

マッカラーズ「心は孤独な狩人」
 
 もう絶版で古書価格は数千円で信じられない。最近ある国際的にも有名な日本人作家が翻訳したそうです。その思い入れは、うれしい限りですが、やはり、文庫本の河野一郎氏の解説のなかに、ムイシュキン侯爵やキリストといった言葉が出てくる懐かしさには、叶わないような気がします。英語版では、In the town there were two mutes, and they were always together.聾唖者をmuteという所が、私の無知故に、未だに乾いた感じがします。

 

田宮虎彦「銀心中」

 「しろがねしんじゅう」と読む。戦争に翻弄される市井の男女の悲恋を描いた小説集です。最後の「黄山瀬」(きやまぜ、と濁って読む)は、私が就職した時の初任者研修の講師の方が話題にされ、興奮したことを忘れません。3年経って転勤の面接で、偶然その方が担当になりました。思い切って、3年前の「黄山瀬」を話題にすればよかったのに、しなかったのが悔やまれます。大事な田宮虎彦ファンだったのですね。虎彦氏も面接氏も、とうに亡くなられた。