道のあちこちの水没放置自動車は、フォルクスワーゲンやミニクーパーの外車やレクサスなどの大きな車が目立った。もちろん、軽や普通の安い車もあった。軽は、道から落ちて、頭を低くし、お尻が上がっている状態が3台あった。道路が川のようになり、路肩が分からなくなったからだ。
と、用もなくふらふら走っているのではなく、ディーラーに下の子の車を診てもらいに出かけた道すがらのことである。
「レッカー車で引っ張って持ってきてください。修理しても直らない車が大半です。代車はありません。いつどんな不具合がこれから起こるか分かりません。」
こんなことを言われて、十分に参っている家内と下の子は、私と一緒にディーラーに行こうと言う。そんな恐ろしい状態の車は、私が運転し、下の子は家内と一緒にアクアに乗るのがいいだろう。カーナビのついた家内の車に先導されて、数キロ離れたディーラーに向かうのだが、交通規制があり、国道1号が使えない。旧東海道を走るが、やはり小坂井(こざかい)の河岸段丘を降りた所が水没していて、通れない。数台の車が無造作に放置されていた。
渋滞の途中で、私は車を降り、扇動する家内のアクアの窓を叩き、
「全然、普通に走るよ。」
「カーナビが映らないでしょ」
「映っているよ」
ええーという顔をしている二人に、
「乾いてきたんじゃないの」
先導役が後退して、脇道にそれて、渋滞から離れた。
その途中でも、やたらと、水没放置状態の車があり、30~40台ほどの車を見た。
迂回しても迂回しても豊橋には行けない。高架の23号バイパスは渋滞である。
私は、車から降りて、
「ディーラーに行くの今日でなくていいんじゃあない?」
と告げると、家内たちも同意した。
気が滅入っているだろうと、昼は、実弾を使って、レストランに行った。
「さんかい」という23号沿いの田舎のレストランだが、刺身は新鮮だし、とにかく冷凍物や干物しか食べない庶民には十分に美味しいのだ。下の子は大きなエビを丸ごとフライにした2匹を食べた。頭も食べた。
夜8時に足元まで浸水した軽だが、朝6時半に始動したし、バッテリー警告ランプは点滅しているが、始動しなかったことはない。
代車が用意できるようになってから、ディーラーに持っていったら、という事になった。
今日は、外車は、水害の多い日本では、電気系統の装備の甘さから、故障のリスクが高いのかもしれない。と素人は感じてしまった。
というのは、間違いで、新しい車は、電気信号でもブレーキがかかるので、水位が低くても、止まってしまうそうだ。だからアクアは弱いことになる。
いつか、日野かいすゞのトラックが、外国の池のような道をずんずん進む動画を見たけれど、吸気筒と排気筒が上を向いているからだろうか?