指揮者小澤征爾さん(83)が7月31日、東京都千代田区紀尾井ホールでの演奏会に出演し、アジアの若手演奏者たちを相手に約10分間指揮した。ともに織り上げたのは、自らが好きなベートーベン弦楽四重奏曲だった。
 この日は若手の勉強会「小澤国際室内楽アカデミー奥志賀」の東京公演だった。「アカデミー」は、1996年に「若い人たちのためのサイトウ・キネン室内楽勉強会」として発足。毎夏、長野県山ノ内町の奥志賀高原で約20人の若手を世界的な演奏家が1週間から10日の合宿で指導し、その成果を現地と東京での演奏会で披露してきた。
 東京公演には、約550人が来場した。小澤さんはアカデミーの受講生と講師全員によるアンコールに登場。指導にあたったチェロの原田禎夫さん、ビオラの川本嘉子さん、バイオリンのジュリアン・ズルマンさんの元を回って握手を交わすと、椅子に腰掛け、べートーベンの「弦楽四重奏曲第16番」の第3楽章を静かに振りだした。上半身を揺らせ、時に左手を大きく動かして、演奏に強いコントラストをつけていた。

私がテレビで見ていたのは、30代後半の小沢征爾だからなあ。山本直純と一緒に「オーケストラがやってきた」をやっていたのだな。