長門銭広永様は難しい銭

もう当たり前だが、自民党は国民を幸せなど全く気にしていない。

民主と愛国

という本があって、
昔、開いた口がふさがらずに、読み進めた記憶がある。

冒頭に、といっても16ページの序章の後だが、

第1部
第1章 モラルの焦土

 日米戦争は、軍や政府にとっても、まったく勝算がないまま開始された戦いであった。
日米開戦の主張は陸軍に強かったが、陸軍の仮想戦場は明治いらい大陸方面であり、太平洋での戦争など準備していなかった。
大本営海軍部のある参謀は、
「驚いたことには、陸軍には見るべき対米作戦構想も具体的な作戦準備も無きに等しかったことが、開戦後に判明した。無責任というほかなかった」
と回想している。(2)奥宮正武『太平洋戦争、五つの誤算』(朝日ソノラマ、1997年。初版1994年)170頁。

 こうした「無責任」もさることながら、作戦準備の不在が「開戦後に判明」したという陸海軍のセクショナリズムも著しかった。
大本営は陸軍部と海軍部に分かれ、それぞれ別個に作戦を立てており、大本営陸軍部の情報参謀の回想によれば、
「陸軍と海軍が双方とも、何の連絡もなく勝手に戦果を発表していたため、陸軍は海軍の発表を鵜呑みにする以外にない」
という状況であった。
海軍の空母が全滅した1942年6月のミッドウェー海戦の実情についても、陸軍情報部の部員たちは「各種の情報、特に海外のニュースなどによって」「大体のことは知っていた」にすぎなかったという。(3)堀栄三『大本営参謀の情報戦記』(文春文庫、1996年。初版1989年)101,102頁。

安倍の言う美しい日本の軍隊のあり様である。