長門銭広永様は難しい銭

もう当たり前だが、自民党は国民を幸せなど全く気にしていない。

林芙美子「放浪記」

別の本だが、「ブラ、ブラダヨウ」と言って、死後硬直の来ていない新鮮な魚を売り歩く行商の文章は、林芙美子だったような気がする。(田宮虎彦の「足摺岬」だったかなあ)NHKの「100分で名著」で、4回にわたって、林芙美子の「放浪記」を扱っていた。私の読んだ当時は、尾崎一雄の「芳兵衛物語」や「虫のいろいろ」とかと併読していたので、その文体の新しさに気が付かなかった。先に売れた林芙美子が、尾崎一雄の家の米櫃をいっぱいにしたことがあって、奥さんの芳枝(よしえ)さんが、うれしがっていたのを、尾崎も書いている。『晩菊』、『浮雲』、『めし』を後の林芙美子選集』新潮社版(1955~6年)の端本で買った。薄い本でボール紙の箱が付いていたが、行方不明。一文だけ覚えているのが「悲しみが酢のように胸に広がった」というような表現があって、それを探すためにも、再度読んでみたいなあと思う。